oToGuard:バスおよびトラック向け 統合型360°カメラシステムおよびレベル2+ ADASソリューション

製品スポットライト 2026.01.27

oToGuard:バスおよびトラック向け 統合型360°カメラシステムおよびレベル2+ ADASソリューション

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従来型 ADAS 統合における課題

大型商用車、特に都市部の高密度な交通環境で運行される路線バスや電気バスは、構造上、多くの死角を抱えやすいという特性があります。これらの車両は、長時間運行、頻繁な停車、歩行者や自転車との複雑な相互作用、そして多数の乗客を輸送する責任を伴うため、事故リスクが著しく高くなります。その結果、公共交通事業者やフリートオーナーには、先進運転支援システム(ADAS)を導入し、安全性と運行効率を向上させることがこれまで以上に強く求められています。

しかし、既存のバス車両へ ADAS を統合することは、決して容易ではありません。実際には、特に規制主導の大規模な公共交通システムにおいて安全技術を展開する際、運用事業者は複数の重要な課題に直面することが少なくありません。

1. 複雑かつスペースを要する設置

従来の構成では、複数の独立したモジュールに依存しており、それぞれが専用の配線、ECU、取り付けスペースを必要とします。このような分散型アーキテクチャは、車内および車体の貴重なスペースを占有するだけでなく、システム干渉や設置不良のリスクを高めます。

2. サプライヤーおよび品質管理の課題

複数ベンダーにまたがる分断されたサプライチェーンを管理することは、ハードウェア品質のばらつきや物流の複雑化を招きます。この多様性は運用負荷を増大させると同時に、技術サポート窓口の分散によって、総所有コスト(TCO)の上昇につながります。

3. 拡張性(スケーラビリティ)の不足

多くの従来型 ADAS システムは、クローズドまたは独自仕様のアーキテクチャを採用しており、ソフトウェアのアップグレード性に限界があります。安全規制の進化やフリート運用要件の変化に伴い、新たな ADAS 機能の追加や AI アルゴリズムの高度化が求められる場合でも、ハードウェアの交換や大規模なシステム再設計が必要になることが少なくありません。このような拡張性の制約はコスト増加を招き、フリート事業者にとって長期的な柔軟性と適応力を制限します。

4. 映像統合および同期の不十分さ

従来のマルチカメラ構成では、映像ストリームが個別のモジュールで独立して処理されることが一般的です。集中型のシステムアーキテクチャが存在しないため、正確な時間同期やシームレスなデータ融合の実現が困難となります。その結果、映像の遅延、ずれ、不整合が生じやすく、リアルタイムの状況認識を損ない、AI ベースの意思決定の有効性を低下させてしまいます。

5. 画像品質の最適化不足

ADAS の性能は、画像品質に大きく依存します。しかし、従来のカメラシステムは、逆光、低照度環境、雨や霧などの悪天候といった過酷な条件下で十分な性能を発揮できない場合があります。センサー性能の限界やダイナミックレンジの不足は検出精度を低下させ、AI による物体認識、ドライバーモニタリング、安全警告の信頼性に直接的な影響を及ぼします。

 

oToGuard:統合インテリジェンスでフリートの安全性を革新

こうした業界全体の課題に対応するため、oToBrite は大型商用車向けに特別設計された、世界初のオールインワン ADAS ソリューション「oToGuard」を発表しました。車載グレードの ECU(TI TDA4)、8 台の高解像度カメラ、そして独自の Vision-AI ディープラーニング技術を搭載した oToGuard は、車両の外部および車内の両方に対して、包括的かつリアルタイムな認識を実現します。

oToGuard:バスおよびトラック向け 統合型360°カメラシステムおよびレベル2+ ADASソリューション

図1:包括的な認識アーキテクチャおよび8カメラ配置

 

堅牢な Vision-AI アルゴリズムを基盤とする oToGuard は、車両、歩行者、二輪車、車線標示、その他の道路要素など、幅広い対象を高精度に検出・分類し、さまざまな安全機能および運転支援アプリケーションを支援します。

複数の安全機能を単一の高性能システムに統合することで、oToGuard は以下の中核的な機能により、従来の分断された構成が抱える制約を解消します。

1. 統合型 360° & 車内センシング

oToGuard は集中型ハードウェアアーキテクチャを採用し、死角のない全方位の状況認識を実現します。

  • フロントビュー(2 カメラ): レベル2+ 対応の前方認識モジュールとして設計されており、最大 100 メートルの検知距離で FCW および LDW(UN R130)、ならびに MOIS(UN R159)をサポートします。レベル0の警報機能にとどまらず、本アーキテクチャは UN R79 に基づく操舵関連機能にも完全対応しており、CSF、ESF、ACSF-B1、ACSF-C を含む機能をサポートすることで、複雑な都市走行環境における高度な横方向制御を可能にします。
  • サイドビュー(4 カメラ):左右両側に対して UN R151 に準拠した BSIS 保護を提供し、最大 40 メートルの範囲で交通弱者(VRU)を検知します。死角監視に加え、本システムは UN R79(ACSF-C)に基づくレベル2+ のレーンチェンジアシスト(LCA)にも対応する設計となっており、交通密集環境で運行される大型車両に対して、より高度な横方向の認識と能動的な支援を提供します。
  • リアビュー(1 カメラ):後方監視を実現し、他の映像入力と統合することで、シームレスなアラウンドビューモニタリング(AVM)を提供します。
  • 車内(IR カメラ 1 台):3D フェイシャルランドマークトラッキングを用いて車内を監視し、100 名以上のドライバーを識別するとともに、さまざまな運転挙動を分類します。
統合型 360° & 車内センシング

図2:走行シーンに応じた4つの表示モード

 

2. フルスペクトラム ADAS 対応(レベル0~2+)

本システムは、レベル0の警報機能(AVM、BSD、DMS、FCW、LDW、MOIS、REIS)から、レベル2+の能動的支援機能(LCA、LKA)まで、幅広い機能をシームレスに統合しています。曲率半径 250 メートルを超えるカーブにおいても、20 cm 未満の高精度なレーン検出を実現し、oToGuard は複雑な走行環境下でも信頼性の高いパフォーマンスを提供します。

動作パラメータおよび UN 規制対応概要

図3:動作パラメータおよび UN 規制対応概要

 

3. 高精度イベント記録

能動的な安全機能にとどまらず、本システムはフリート管理の高度化にも貢献します。時間同期精度 3ms 未満のイベントトリガー録画機能を内蔵しており、8 台すべてのカメラ映像を完全に同期させることで、事故状況の正確な再現やドライバー行動の詳細な分析を可能にします。

4. 迅速な導入を可能にするシンプルなアーキテクチャ

高度に統合された oToGuard のシステムアーキテクチャにより、すべてのカメラ映像を DVR システムへシームレスに統合することが可能です。この設計は配線の複雑さを大幅に低減し、車両あたりに必要なカメラ数を最適化することで、導入コストおよび継続的な保守負担の削減を実現します。

oToGuard システムアーキテクチャおよび統合図

図4:oToGuard システムアーキテクチャおよび統合図

 

5. 高度な AI ドライバーモニタリング

3D フェイシャルランドマーク AI トラッキングを搭載した oToGuard は、最大 100 名の認可ドライバーを認識します。本システムは、疲労、注意散漫、喫煙、携帯電話使用など、10 種類以上のドライバー行動を正確に監視・分類し、人為的ミスに起因するリスクを効果的に低減します。

AI ドライバーモニタリング

図5:3D フェイシャルランドマークトラッキングと行動分類によるドライバーモニタリング

 

6. 国際規制対応

都市バスや電気バスでの運用を重視して国際展開向けに設計された oToGuard は、大型商用車向けの主要な UN 規制(UN R130、R151、R158、R159)に完全に準拠しています。また、レベル2+ ADAS 機能は UN R79 の操舵装置要件(CSF、ESF、ACSF-B1)も満たしており、複雑な都市交通環境下で安全かつ規制準拠の運行を可能にします。

公共交通機関における市場導入実績として、oToGuard は既に 3 社の主要電気バスメーカーの UN R130、UN R151、および UN R79(CSF、ESF、ACSF-B1)の公式型式認証取得を支援しています。この確立された実績により、oToGuard は世界中のバスフリートに信頼される ADAS ソリューションとして位置づけられ、事業者が厳格な安全規制に対応し、都市交通の安全基準向上を推進する支援を提供します。

7. 最適化された演算能力による高効率 AI

oToGuard の特徴の一つは、卓越したアルゴリズム効率です。高度なモデル圧縮および最適化技術により、oToBrite は高精度認識率を維持しつつ、ディープラーニングに必要な計算負荷を大幅に削減しています。

従来のシステムでは複数の AI ストリーム処理に膨大な計算リソースを必要とすることが多いですが、oToGuard のアーキテクチャでは 8 台のカメラモジュールすべてで同時に AI モデルを動作させる際も、わずか 8 TOPS の演算能力で対応可能です。この効率性により、高速リアルタイム処理と低消費電力を両立させており、電気バスのようにエネルギー効率が重要な用途に最適なソリューションとなっています。
 

フリート安全の未来:集中型インテリジェンスと実証済みの規制準拠

規制要件が厳格化し、フリート運用がますます複雑化する中で、個別対応型のソリューションから、集中型かつインテリジェンス主導のアプローチへの移行が不可欠です。oToGuard はこの進化を体現しており、ADAS を単独機能から統合された安全・管理システムへと変革します。

その結果、状況認識の向上、システムの複雑性の軽減、そして将来の運用要件に対する完全な準備が可能となります。最終的に oToGuard は、フリート事業者および OEM が受動的な規制遵守を超え、リスクを能動的に低減し、持続可能な安全性を実現することを可能にし、世界の商用輸送のスマート化への道を切り開きます。

 

詳細については、oToGuard のウェブページをご覧いただくか、oToBrite までお問い合わせください。

 

出典:
本記事はもともとEE Timesに掲載されたものです。オリジナル記事はこちらをご参照ください:
 https://www.eetimes.com/otoguard-integrated-360-camera-system-and-level-2-adas-solution-for-buses-and-trucks/ 

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